「彦根屏風の魅力に迫る(後編)」
先月に引き続き、今回も国宝「彦根屏風」です。
たった1枚の屏風。
そこに隠された問題を解いていくこと、そして作者は一体だれ?について
黒田先生にお話をいただきました。
単に一つの遊郭内で起こった束の間の恋愛模様としての解釈だけでなく、
15人の登場人物それぞれが役割を持ち、それをあからさまにではなく、
わかる人だけがわかるように描かれる。
時代を超えて現代の我々に解釈されることを作者は見越して描いていたのでしょうか?
それとも我々の限りない想像力が絵を一層厚みのあるものにしているのでしょうか?
美術鑑賞に「正解」はありません。
だからこそ「自由」であり、人はその自由を実感すると「心」で感じられる
ものなのだということを実感した秋の一晩でした。